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【番外編】卵子ドナー(エッグドナー)を希望する方へ
卵子提供を受けるのに必ず必要な存在、それが卵子ドナー(エッグドナー)です。
排卵調整のため様々な薬を飲んだり、採卵で海外に赴いたり、拘束時間が長かったりと、ドナー側はデメリットが多いように感じますが、それでも何故登録者の方々は卵子ドナーになることを選択したのでしょうか?
卵子ドナー(エッグドナー)になる
メリットとは
卵子ドナーになるメリットといいますか、動機は主に3つあります。
- 周囲に不妊の人がいて状況を知っていたり、ニュースや学校などで不妊の現状を見聞きし、何か役に立てる事がしたいと思ったから。
同じ女性だからこそ、その力になりたいという、ボランティア精神に溢れている動機ですね。 - 高額なアルバイトになるから。
謝礼金は数十万円単位のかなり高額になるので、アルバイトのつもりで登録する方もいらっしゃいます。
ただし、ドナーに選ばれるかどうかは不確定要素ですから、確実な収入は期待できないでしょう。 - 3週間近く海外に渡航できるから。
個人で海外ロングステイの計画を立てると費用は馬鹿になりませんが、ドナーとして行くなら渡航費・宿泊費はエージェント負担。
ドクターのOKが出ていれば、思いっきり観光を楽しむ事だってできます。
ちなみに、ドナーはいつオファーがくるかわからないので、比較的自由に動ける学生さんやお子さんのいない専業主婦の方などに向いています。現地でドナーを募っている場合は、海外留学中の日本人学生が多く登録しているみたいです。
ほぼすべてのエージェントでは、ドナー登録を申し込んだ方にはかなり詳細なプロフィール(自身だけでなく、家族の病歴などまで)の登録が義務付けられるほか、人柄を確かめるため実際に会って面談したり、電話によるヒアリングを行いますので、審査はなかなか厳しいとのこと。
また、ドナーとして選ばれるためには、見た目も重要なポイントになるため添付する写真も好印象にみえる工夫をしたほうが良いそうです。
卵子ドナーになるには?謝礼金はもらえるの?
卵子を提供するドナーには、一般的に50~80万円程度の謝礼が支払われます。
しかし、臓器提供や献血時にも提供条件があるように卵子ドナーにも各種条件があります。
- 20~29歳の女性で定期的な生理周期がある
- 2週間以上の海外渡航が可能である
- 遺伝子疾患を持つ家族・親族が居ない
- 感染症(性病など)にかかっていない
- 依存症(薬物・たぼこ・アルコール)がない
- 精神安定剤を服用していない
- エージェントが希望するプログラムを順守できる
各エージェントによって細かい違いはありますが、基本的には長期渡航が可能で心身共に健康な状態であれば、未婚・既婚関係なく登録できます。
卵子提供の条件をクリアしているかどうかの健康チェックは日本の病院で受け、採卵手術は渡航先で行うこととなります。
謝礼金は帰国後にエージェントから受け取ります。
卵子ドナーにリスクはあるの?
卵子を提供するために排卵誘発剤を使用する場合、体調面で3つのリスクが考えられます。
- 子宮頚管粘液の減少と子宮内膜の厚みが薄くなる
- これらの変化は一時的で、通常は次の排卵時には元に戻ります。
- 複数の卵子が排卵される
- 複数の卵子が排卵される可能性が高くなります。ただし、卵子数の減少につながることはないようです。
- 卵巣過剰刺激症候群
- 卵巣が膨れ上がり腹水が溜まる、軽い頭痛・吐き気などの症状が出ることがありますが、治療によって短期間で完治しますし生理・妊娠出産への影響はありません。
エージェントの多くは卵子ドナーの健康・安全を第一に考えてくれるので、万が一の時にも適切なサポートをしてくれます。なお、国外へ渡航後に問題が発覚して卵子提供が不可となった場合も、ドナーが渡航費や医療費を負担する必要はありません。
卵子ドナー体験談まとめ
卵子ドナー体験者からは様々な感想が集まっています。
不妊治療に対する意識が変わった
初めてドナーを体験した際は不安もありましたが、これをきっかけに自分の中で不妊治療に対する意識が変わりました。自分が誰かの役に立てている、という嬉しさや達成感があり、これまでに3回提供しています。
レシピエントさんと会って決めました
提供先となるレシピエントさんと実際にお会いし、自分をドナーとして選んだ理由を聞きました。心からこの人たちのお手伝いをしたいと思って提供を決断しました。
社会に出る前に命の重さを知る機会をもらった
私がドナーとして卵子提供をしたのは学生の頃でした。「卵子提供によって、不妊治療に悩む人たちを幸せにできる」という点に魅力を感じたのがプログラムに参加したきっかけでしたが、この経験を経て、社会に出る前に命の重さを知る機会をもらえたのが良かったと思っています。
一生ものの経験になったと思います
エージェントさんの対応を通じて、エッグドナーの必要性や「子を望んでいる人が本当に多くいる」ということを知りました。命の尊さを再確認できた気がしますし、自分自身「ドナーという経験は一生ものの経験になった」と感じたので、本当にやって良かったと思っています。また自分にお手伝いできることがあれば、その時はぜひ前向きに考えたいです。
人の助けになりたいと思いました
エッグドナーになろうと思ったのは、不妊治療のドキュメンタリー番組がきっかけです。人の助けになりたいと思いました。約2週間のアメリカ滞在の間、現地のスタッフの方々のサポートのおかげで健康に卵子を育てることができました。匿名での提供だったので、提供先のご夫婦には会えませんでしたが、このご夫婦に貴重な体験をさせてもらえたことを感謝しています。
自分が不妊で悩むご夫婦のためになった充実感がある
エッグドナーは正直怪しいとさえ思っていました。ですが、不妊で悩んでいる夫婦、子供を諦めてしまう方も多くいる現実を知り、また自分の将来の妊娠に影響がないようなのでやってみることにしました。採卵後は生理痛のような痛みや運動制限などもありましたが、2週間後にレシピアントのご夫婦が妊娠されたと聞き、自分の事のように嬉しく思いました。自分が夫婦のためになって本当に良かったと思います。
生きることの重要性を考え直すきっかけに
ドナーに選ばれた時は、私の卵子で大丈夫なのだろうか、といろいろ考えました。ただ、実際にレシピアントの方が無事妊娠したと聞いた時には本当に涙が出るほどうれしかったです。レシピアントの方からのお礼のメッセージカードを渡され、私の不安もどこかへ行ってしまいました。この一件で生きることの重要性を改めて考えさせられました。私のほうが感謝したいくらいです。ありがとうございました。
生涯忘れられない経験に
CRODのドナー応募広告をみて、興味本位で登録しました。ただ実際にドナーに選ばれて、真剣にエッグドナーについて考え始めました。細かなところまでしつこく聞きましたが、スタッフの方が優しく受け答えしてくれて徐々に不安もなくなっていきました。正直金銭に目がくらんでなんとなく登録した私ですが、『命』という究極の贈り物について考えさせられ、生涯忘れられない経験をさせてもらいました。
卵子ドナーになるための登録先はどこ?
ドナー登録ができるエージェントは複数あります。エージェント社によって卵子ドナーに求める要素が違いますし、謝礼金も違います。
卵子ドナーを検討しているのであれば詳しく調査して、必要であれば問い合わせることも必要でしょう。
ドナーが日本在住者の場合、海外への渡航費用といったエージェント側の負担が大きく、海外在住の日本人や留学生に対象を絞っているエージェントも多いようです。以下に国内在住の女性も登録することができるエージェントをご紹介します。
- Act One(謝礼金70万円)
- メディブリッジ(謝礼金 要問合せ)
- LA Baby(謝礼金6,000ドル~)
- リプロダクションパートナーズ(謝礼金 要問合せ)
- ジャパンエッグバンク(謝礼金50~80万円)